2016年4月15日金曜日

夢の劇 20160412


KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『夢の劇-ドリーム・プレイ-』【ゲネプロ】
http://youtu.be/yzRyjK0xwmg




関連動画:
KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース 夢の劇-ドリーム・プレイ-【制作発表会見】 20160119
http://youtu.be/YVwFUV3JfpE

稽古場映像『夢の劇-ドリーム・プレイ-』

早見あかり主演舞台「夢の劇」公開稽古リポート!少しだけダンスシーンも 20160330
http://youtu.be/gi1ruM2hQUU

KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『夢の劇-ドリーム・プレイ-』【囲み取材】20160411
http://youtu.be/-U_8soFMbgo

https://librivox.org/a-dream-play-by-august-strindberg/ 英語版朗読音声のみ

ベルイマンもテレビ用に映像化(1963年?)している。
http://ingmarbergman.se/verk/ett-dr%C3%B6mspel-0
Ett drömspel / A Dream Play 
https://www.youtube.com/watch?v=ASFsdP9CmVY (全編1:53:11)
Regi: Ingmar Bergman
Ingrid Thulin - Agnes, Indras dotter 

20160412


http://www1.axfc.net/u/3650938.jpg







両方の肩が収まった宣伝通りの白い衣装に
時折オレンジ、緑の肩掛けを羽織ったりするだけ
膝から下は裸足に見えるが、とにかく衣装関係なく全体に華がある
声もよく通る

早見あかり目当てに行ったが、劇自体が良かった。
手作りの音楽、小道具、大道具、ダンス、演技、全部良かった。
三方に客席がある装置も存分に活かしていた。
全体的に小劇場のいい部分を受け継いでいる。
難しい詩劇をわかりやすくすることにも成功している。
主演の娘は最初は狂言回しで、星の王子さまの地上版、ベルリン天使の歌みたい
後半は、人形の家とペールギュントを合わせたみたい


(かつて黒澤明の白痴の主役が酒を飲んで荒れていたそうだが)
とにかくこの役は半分天使みたいなのでストレスがたまると思う
ただ、劇の出来がいいから土屋タオ(花輪が来ていた)のように無駄に太ったことにはならない
今後は舞台で発散できるだろう

人間は苦しみのために生まれてくる
火花のように飛び散るために(ヨブ記)

という言葉を思い出した
東洋的な部分もあるが北欧の奥深さと上のキリスト教的な良心がバックボールにある

金欠だがもう一度行くつもり
まだ始まったばかりだが
スタッフと早見さんにはおめでとうと言いたい



訂正
キリスト教がバックボーン
(マルクス、フロイト、カントを想起させる部分もあるが時にマンガチックでわかりやすい)

衣装は宣伝に使われたものに似ているがどちらの肩も出ていない、
もちろん靴は履いている(最後に…) 
といった意味

ストーリーはとっちらかった印象もあるが…

色々書きましたが先入観なしに楽しめます…

長文失礼しました









4月22日夢の劇アフタートークより

司会 ...ご自身で手応えは?後半戦突入して、日々違う舞台だと思うんですけど?

早見 えっと、あの、単純に本当にお客さんの前でやるのが楽しくなってきたっていうのが…
回を重ねるごとにもっともっと楽しくなっているっていう
それは多分自分に余裕が出てきているというか
あの、一番最初に脚本をいただいて、あの、ひとりでいっぱいしゃべるところとかあるので
私これ覚えられないですね白井さん、って言って、明日もし収録だったら覚えるでしょ
それでも私は覚えられません、っていうのを一番最初にしたんですけど
あの稽古を重ねるにつれて、体にどんどんせりふが入ってきてるっていうか
自然に本当に言わされているというよりは自然の心から口から出ている
というように変わってきていて、なので、やっていて
自分の感情で台詞が出て、自分の感情で動くのが面白いなって
思いながらやっています。

司会 はい、レディファーストで早見さんにうかがいましたが田中さんいかがでしょうか?

田中 何がでしたっけ?

...

司会 (役について)今あらためて...

早見 アグネスはまあ私が演じているので形はこう大きいけれど
こう地上に降り立ったときには本当に始めて舞台におりたったということで
たまたま生まれた赤ちゃんが生まれた時と同じって感覚と私は思ってたんですけど
なので赤ちゃんがなんでもまわりでみて聞いて感じたものを吸収して行くように
アグネスもどんどんどんどん吸収していく
でもそれがいいこともわるいこともあるし
人間て悲しい生き物なんだなというふうに思っていくけど
でもそれが人間の面白さでもあるし
何だろう、それがすごくいとおしい存在って理解していく、っていうアグネスと
私は舞台っていうお芝居というもの初めてだったので
本当に何もわからなかったんですね
一番最初あの台本が紙、あっ、プリントアウトした紙でもらってたんですね最初
それが前日になってきちっと製本した状態でもらったんですけど
それまで舞台っていうのはドラマとか映画の現場と違って
製本された台本つくらないって思ってたんですね
そしたらちゃんとかたちになったのがきたから
あっこういう現場でもやっぱり台本は作るんだという発見があったり
本当にこういう初歩の普通わかるだろというレベルのことからひとつひとつ学んでいって
今お客さんの前でやるのが楽しい
日々毎日変わっていくのが面白いとか思えるようになってきたのは本当に
アグネスとまったく同じだなというか
だから何だろ、一番最初は知らないことが悪いことじゃないんだなって思いました
最初は舞台っていうのは初めてでどうしたらいいかわからないし
おいてかれたらどうしようという気持ちもすごくあったんですけど
まわりの方たちがみんなやさしく教えてくれたので
それはアグネスと同じで私が成長していった証しというか
この作品が一番最初の作品になってよかったなと思ってます。


http://blog.livedoor.jp/andyhouse777/archives/66215990.html
★舞台「夢の劇-ドリーム・プレイ-」特設サイト

 白井は2年間のアーティスティック・アドバイザー(芸術参与)としての役割を終え、今年2016年4月からKAAT神奈川芸術劇場の芸術監督に就任。かねてから「全然分からないが、登場人物が愛おしかった」「100年前の作品だが、ざわざわとした今の時代とシンクロしている」と感じていた、この「夢の劇-ドリーム・プレイ-」を最初の演出作品に決定したのだ。




むかし小さい子供に
なぜ海の水がしょっぱいのかきいたことがある
父親が海に出ているその子はすぐ答えた
それは船乗りがいっぱい泣くからさ
どうして船乗りはいっぱい泣くんだい?
それはね、いつも遠くへ行かなきゃならないからさ
だからいつもマストの上でハンカチを乾かすのさ
わたしはきいた
ひとはどうして悲しいと泣くのかな?
その子は言った
それはね、もっとよく見えるように
ときどき目を洗わなきゃいけないからさ

...

 (僕には風の音しか聞こえない)
私が言葉にしてあげる、聞いて、風たちの不満を
空のかなたに生まれ落ち、インドラの光に送られて
埃だらけの地上へ吹いた
我らのため息その耳届け
荒れる地球汚れた地
悪ではないが善でもない
人間たちの日々の暮らし
塵からうまれて千々にさまよう
翼を持たず大地をつかみ
塵にまみれて千々にさまよう
これは彼らかあなたのせいか
 (聞いたことがある)

しっ!!
我ら風の子空気の子供
人間たちの嘆きを運ぶ
我らのため息その耳とどけ
秋の夕暮れ煙突の中
ひび割れストーブ窓の隙間
雨のレンガに落ちて泣く
雪降る森の深々を
はたまた嵐の海の果て
われらのためいき空気の涙
我ら風の子空気の子供
人間たちの心臓の
あばらの隙間突き抜けた
たちまち耳を引き裂いた
せつないほどの悲壮な調べ
病に倒れた死の床か
銃弾飛び交う戦場か
いいえそこは産湯を浴びて
真白きシーツ真っ赤に濡らし
いとし母との出会いの刹那
生まれることの苦しみに
大きな声で叫んでいる
せつないほどの悲壮な涙
我ら風の子空気の子供
我らのため息その耳に
... 


...それでも教えてほしい
君がこの地上で一番苦しかったことを
それは、人間でいること
この目のせいで見えなくなって
この耳のせいでぼんやり聞こえて
さわやかで透明な私の思考が
脳みそのうねりにとじこめられる
脳みそってものすごくねじれていて迷路みたい
そうだよだからみんなの善良なる市民の考えってやつはみんなねじれているんだ
まあひどいのね詩人って

さあついに足についた埃をふるいおとす時がきた
土も粘度も

「私のショールも燃やすわよ
「僕のばらも 僕のばらも 刺しか残してないけれど 刺しか残してないけれど
「さようなら私の名声と孤独
「この歌声を届ける劇場よ、さらば
「私のこのポスターも、こっちの緑の網はダメだけど
「手にすることのなかった月桂樹の冠
「あの人の思い出あの人のくちずけ
「君の思い出君のくちづけ
「私の美貌私悲しみ
「扉をひらいたダイヤモンドの工具よさようなら
「急げ急げ人生は短いぞ

人生の終わりが近づくと
今までであった人やできごとが走馬灯のように駆け巡る、これがそう?
そう、これが私の終わり、さようなら
どうか言葉を、お願いだから
言葉で思いを表わせるなんて本気で信じてるの?
「貼って貼って隙間をなくそう
もしも天国がひび割れたらきっとその隙間も貼るんだろうな、もう行ってください
あなたのお城に貼れる窓はありますか?
無いよクリスティーンあそこには
「では行きます

お別れよ、これでおしまい
さようなら人間の子、夢見る人
詩を紡ぐあなたは生き方を知っている
たとえ泥に沈んでも土を払えばまた飛び立てることを
ひとつわかったこと
さよならを告げる時って愛する人を失う悲しみと
嫌った人への後悔がこんなにも押し寄せてくるものなのね
どうでもよかったものまで恋しくなって
してもいない罪まで後悔して
出て行きたい、残りたい
心がねじれてまっぷたつよ
こんなおかしな気持ちがあるのね
胸が引き裂かれそう
さようなら、きっと私は忘れない
あなたのこと、みんなのこと
きっと忘れない、さようなら  

__________
 
早見あかり 初主演舞台で泣いちゃった/芸能/デイリースポーツ online
http://daily.c.yimg.jp/gossip/2016/01/20/Images/08736047.jpg
http://www.daily.co.jp/gossip/2016/01/20/0008736046.shtml

早見あかり 初主演舞台で泣いちゃった

2016年1月20日
 涙をぬぐう早見あかり=横浜市・KAAT神奈川芸術劇場
 涙をぬぐう早見あかり=横浜市・KAAT神奈川芸術劇場


 女優・早見あかり(20)が19日、横浜市内で行われた初主演舞台「夢の劇-ドリーム・プレイ-」(4月12~30日、KAAT神奈川芸術劇場。5月14、15日、兵庫県立芸術文化センターなど)の製作発表で泣き出すハプニングがあった。
 早見は今作が初の本格的な舞台で、しかも主演。共演者ともこの日が初顔合わせだった。あいさつに立った早見だが「右も左も分からない。緊張とか不安より怖い。それが今の心境」と話すと、声につまってオドオドし始めた。「どうしよう」-そんな言葉と共に、涙があふれた。
 「こんなの初めて」と少々取り乱したがすぐに気を取り直し、「終わった時に大きなものをつかんで帰りたい」と意気込んでいた。

早見あかり、野望ない無色透明の女優業…ももクロ脱退から5年 (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160501-00000040-dal-ent

早見あかり、野望ない無色透明の女優業…ももクロ脱退から5年

デイリースポーツ 5月1日(日)14時22分配信
 女優の早見あかり(21)が初主演舞台「夢の劇-ドリーム・プレイ-」に挑んでいる。スウェーデンの劇作家ストリンドベリが100年前に書き上げた作品は夢と現実が複雑に入り交じり、難解だ。女優を目指し、ももいろクローバーを脱退してから5年。神の娘アグネスを演じる早見の評価は日に日に高まっているが、「野望とか全くなくて」と屈託がない。色を付けようにも無色透明といった趣。女優・早見あかりの現在地を探った。

 公演終了後の楽屋、三方向を客席に囲まれた舞台の中央で2時間、神の娘を演じきった早見の顔は、ほのかに上気していた。

 4月12日にKAAT神奈川芸術劇場で開幕し、30日に打ち上げ。5月は長野(4、5日)と兵庫(14、15日)で上演される。「本当にあっという間だと思います」と笑った。

 アグネスは人間界に降り立ち、人々の苦悩や悲哀を目に焼き付けて天界に帰る。ダンサーが舞い踊り、不条理で複雑な物語が展開される。1月の会見では舞台初主演の重圧も相まって泣いてしまった。「お客さまの前に立つのが怖い、と泣いたので」と、今では笑い話。1カ月半かけて週6日、1日7時間の猛稽古を積んできた。

 「飽き性なので『舞台って同じことやるじゃん』と思ってたんですね。でも、1ミリずつ一つの作品が成長していって、最後には何センチも伸びたものになっている。『変化が面白いから舞台はやめられない』と言われたのが分かった気がします」

 2011年のももクロ脱退から5年。「アイドルを辞めてから、つらいと思ったことはないんです」と振り返る。「好きなお芝居をさせてもらっている。ももクロ辞めなきゃ良かったみたいな後悔は一度もしてない」。そう語る表情は、充実感に満ちていた。

 何色にも染まっていないのが武器だ。「私、基本的に何も考えていないので」と笑う。「この仕事を天職だなと思いながらできているのが一番大事」が哲学。女優を楽しむ、その一点だけはブレさせない。

 「よく同世代に素晴らしい女優さんがいますが、その競争をどうやって勝ち抜いていきますか?と聞かれるんですけど、私は競争から2本ぐらいズレたラインでフワフワうまく残れないかなぁと思ってるんです。楽しんでやれているので、だからこそ『あかりちゃん、使おう』と思ってもらえてるのかなって」

 今作もKAAT芸術監督・白井晃(58)の指名だった。青色に輝いたアイドルは今、無色透明な女優として、独自のポジションを築きつつある。

 ◆早見あかり(はやみ・あかり)1995年3月17日生まれ、東京都出身。小6の時に池袋でスカウトされる。2008年5月結成のももいろクローバーでサブリーダーに。11年4月、女優を目指し脱退。14年、「百瀬、こっちを向いて。」で映画初主演。NHK連続テレビ小説「マッサン」で主人公の妹を好演。15年、「ラーメン大好き小泉さん」で連続ドラマ初主演。身長165センチ。血液型A。
【関連記事】

20160514今日のアフタートークで白井さんが
大変だったよね〜の話の中で
「収録に7時間もかかった」と言ってたから
円盤出るのかも。

今後の予定であかりちゃんは
親知らずを抜くそうです。 

20150515
夢の劇 −ドリーム・プレイ−公式 @yumenogeki

4月12日にKAAT神奈川芸術劇場でのプレビュー公演で開幕した「夢の劇ードリーム・プレイー」、全23回の公演を無事に終了いたしました。
兵庫で迎えた大千秋楽、スタッフも一緒にカーテンコールでご挨拶させて頂きました。
https://pbs.twimg.com/media/Cie1PpMUYAAz4p5.jpg 

舞台「夢の劇」の音楽を作る日々のこと。生駒祐子の日記(10)|NOTE|mama!milk offcial portfolio
http://www.mamamilk.net/note/12956/


12 件のコメント:

  1. ストリンドベリ『夢の劇』(1901) - 活字中毒者の読書メモ
    http://d.hatena.ne.jp/robertmacaire/20100225/1267101182
    2010-02-25

    ストリンドベリ『夢の劇』(1901)
    読書, 北欧文学

    (『講談社 世界文学全集58』所収)

    人生これ反復…あの教師を見ろ…昨日は博士となり月桂冠を授かり礼砲を受けてパルナッソスに至り、王さまの抱擁まで受けた…それで今日はまた学校で同じ質問の繰り返し、二掛ける二はいくつ?死ぬまでそれを続けるだろう…さあ戻れよ、おまえの家に!
     作者によれば、「脈絡はないが明らかにひとつの論理をもった夢の形式を再現しようと試みた」という作品。インドラ神の娘が地上に降りたつところから始まる。彼女は、父に報告するべく、これから地上で人間の苦しみを体験するのだ。そして、彼女の周りには、士官、ポスター張り、門番女、弁護士、検疫所長などさまざまな人物が入れ替わり立ち替わり登場し、作者の言う通りの脈略のない場面が延々と続いていく。

     劇はどこもかしこも陰鬱なせりふばかり。筋らしい筋もないので、読み進むのはちょっと苦痛だが、舞台で見てみたら意外と面白いのではないかとも思った。例えば、最後の場面で、それまで出てきた登場人物がもう一度現れ、自分たちの持ち物を火に焼べて立ち去り、やがてインドラ神の娘も天へと去っていくところなどは、舞台にしたら結構、感動的なものになる気がする。

     あと、インドラ神とは、バラモン教の聖典『リグ・ヴェーダ』で最高神として称えられている神。解説によると、ストリンドベリは、スウェーデンボリの神秘思想とともに、東洋思想や仏教思想にも興味を持っていて、図書館勤務時代には、中国語を勉強したこともあったらしい。

    Permalink | コメント(0) | トラックバック(0) | 21:33

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  2. 『現代世界演劇03 -詩的演劇』
    translator:毛利三弥/他 Publisher:白水社(HakusuiSha)
    1971
    「夢の劇」 オーギュスト・ストリンドベリ(August Strindberg)
    「すばらしい靴屋の女房」 フェデリコ・ガルシア・ロルカ(Federico García Lorca)
    「寺院の殺人」 T・S・エリオット(T. S. Eliot)
    「結婚」 ヴィトルド・ゴンブローヴィッチ(Witold Gombrowicz)
    「母」 マクシム・ゴーリキー(Maxim Gorky)

    返信削除
  3. 夢の劇は
    1902年

    ETT DROMSPEL

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  4. A Dream Play (Swedish: Ett drömspel) was written in 1901 by the Swedish playwright August Strindberg. It was first performed in Stockholm on 17 April 1907. It remains one of Strindberg's most admired and influential dramas, seen as an important precursor to both dramatic Expressionism and Surrealism.

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  5. 分け入つても分け入つても本の山 「夢の劇」
    http://yondance.blog25.fc2.com/blog-entry-340.html
    「夢の劇」ストリンドベリ│ 2005/12/29 ↓ TB 0 ↑ Com 0
    2005/08/02(火) 11:58:54

    「夢の劇」(ストリンドベリ/毛利三彌訳/白水社「現代世界演劇3」)絶版

    →ストリンドベリはこの戯曲で悪夢を再現しようと試みた。
    夢を見よう夢ではなく、夜に見る夢のほうの。あの目がさめるとほっとする類の悪夢を。
    天才(キチガイ)というのはとてつもないことを考えます。
    この戯曲に筋(すじ)のようなものはない。だから不条理ですらありえない。
    意味不明。支離滅裂。こんな表現をするほかない。読了するのはかなりの労苦。
    が、骨折り損のくたびれもうけ、というわけでもないのである。
    なんとも形容しがたい重たい不快感がのこる。やりきれなさ。
    シュークリームのような童話劇にあふれた現代ではかえって貴重かもしれない。
    それはまさに悪夢である。内容は思い出せなくとも衝撃だけは忘れられないのだから。
    どんな雰囲気か。引用。

    (夫)「共同生活とは責め苦だよ。一方の楽しみは他方の苦しみ」
    (妻)「人間ってあわれね」
    (夫)「それがわかったか?」

    この夫妻は(夢の中ゆえ)また別のものにすがたを変え相互に嘆きつづける。
    人間は傷つけあうもの。幸福なんてどこにもないこと。
    仮に幸福があるとしても、それは他人の不幸からもたらされる慰めにすぎないこと。

    引用をつづける。

    (男1)「2かける2は……2。
    それを最高の証明方式である類推法で証明してみます。
    いいですか……1かける1は1。ゆえに2かける2は2! 
    一方にあてはまれば他方にあてはまるからです。」
    (筆者注:人間がひとりのときの苦しみと、ふたりのときの苦しみを暗示か?)
    (男2)「その証明法は論理学に完全に適応している。しかし答えは誤りだ」

    (男3)「そして、きみの不幸の上にぼくの幸福が築かれると思うのかい?」
    (男4)「われわれはあわれだ――われわれみんな!」
    (全員)「(天に手をさしのべ、不協和音のような苦痛の叫びをあげる)ああ!」
    (女2)「永遠なる父よ! この人たちの声を聞いてください!
        人生は苦痛に満ち、人間はあわれです」
    (全員)「(前と同様)ああ!」

    ストリンドベリの絶叫が聞こえてきませんか。
    人生は闘争である! 人間は憎悪しあう、苦しみの連続となろうとも!

    返信削除
  6. クボカン@クロムモリブデン‏
    開演前。大切に持っていた御守りが真っ二つに割れてしまい軽くパニック。それをみた
    アグネスが「大丈夫。きっと何かの身代わりになってくれたんだよ。絶対そうだから大丈
    夫!」と励ましてくれ、落ち着きを取り戻し 舞台に出てゆくヒゲのおじさん39歳。ありがとう
    アグネス。…

    …そうなのですよ、咄嗟でしたが目をみて何度も言ってくれました。それはそうだから大丈夫!
    と。さすが神の娘。

    返信削除

  7. http://www.yumenogeki.jp/UserPage/Detail/22




     プロダクションノートの番外編として、今回は演出家であり、劇団唐ゼミ☆の代表でもある中野敦之さんに稽古場を見学していただき、演出家による稽古場の雰囲気の違いについてざっくばらんに語っていただきました。


     この4月より、白井晃さんが KAAT 神奈川芸術劇場の芸術監督に就任されました。これまで KAAT で何本もの白井作品を観てきました。『Lost Memory Theatre』『出口なし』『ペール・ギュント』。それらを経て、いよいよ始まる白井体制。以下に、ここしばらく白井さんの稽古場に通わせて頂いた中で、演出家によってこうも稽古のやり方、雰囲気が違うものかと、自分が見たこと、感じたことを記します。

     劇団を始めたころ、師である唐(十郎)さんと「~主義」をめぐる話をしたことがあった。それは政治や経済、社会制度に関してではない。酒席で、演劇づくりにおける稽古や創作方法について話している最中に、この話題は浮かんだのだった。

     さらに過去の話をさせてもらおう。遡ること 10年以上前、唐さんが横浜国大の教授で、自分が学生の一人に過ぎなかった頃の話。
    当時、唐さんは苦労されていた。私たちの所属したのは「マルチメディア文化課程」という新設学科で、芸術一般になんとなく憧れる学生が集まる専攻、演劇に興味を持つ者は少なく、劇界の巨匠たる唐十郎も、「大鶴義丹のお父さん」程度の認識だったのだ。かくして、着任 2年半後に始まったゼミナールで、唐さんの疲労はピークに達した。10名ほど集った 3年生を前に唐教授は、何をしてよいか分からなくなってしまったのである。学生たちと巨匠との、まともに会話も成立しない日々。私はといえば、一学年下ながら特別に出入りを許され、研究室の隅で控えていた。

     数ヶ月の迷走を経た時、唐さんは突如「劇をつくろう」と宣言し、すぐさま学生の一人に台本を書くよう言い渡した。困ったのはその学生である。彼はそれまで小説はおろか、詩作の経験もない。まして台本なんて。それを唐さんは「君は良い目をしているから」の一言で、ゼミ集団における劇作家になれと命じたのである。
     彼はしばし呆然とし、返答に窮し、やがて、苦しそうにこう言った。
    「唐さんの、そういう民主的でないやり方は嫌いです。」
     彼も可哀想だったが、唐さんも傷ついた。あれは相当堪えていたはずだ。自分にはそれが伝わってきた。演劇界の巨人が「大学」というアウェイで、二十歳そこそこの青年が発した一言に沈んでいた。

     それから数年後、酒席で話題がたまたま稽古のやり方に及んだ時、唐さんはすでに親しくなっていた自分にこう言われたのである。
    「中野。芝居は帝国主義だよな! 才能帝国主義!!」
    しっかり根に持っていたのである。
    ……あの時のことか。すぐに察せられた弟子は師の偏執ぶりに呆れ、感動した。

     話を、いま目の前で繰り広げられている白井さんの稽古場に移そう。
    白井さんの稽古場を通じて、自分は初めて、演劇づくりには「民主主義」もありうるのだということに気づかされた。カルチャーショックとはこのことだ。
     稽古場に入って第一の驚き。ここでは、飲食、会話、スマホチェックが特に問題視されないのだ。当然のことながら、これらはいずれも稽古場の緊張の中で静かに、そっと行なわれる。が、「アングラの帝王」のもとで育った自分は仰天し、しばしドキドキしつづけた。

     唐十郎の稽古場では、ものを食べることなど考えられない。静かにペットボトルの水分を口に含むことはありうる。稽古が進行している最中の私語はもちろん厳禁だし、まして唐さんが役者にダメ出ししているところで、別の会話など交わせようはずもない。「俺がこの役者に与える注意を、他の全ての人間も聞いておけ」というスタイル。ケータイの電源はオフ。それをし忘れてバイブの振動が伝われば烈火のごとく怒るのは火を見るよりも明らかで、まして着信音など……、ああ、想像したくもない。
     「灰皿伝説」で有名な蜷川(幸雄)さんの稽古の過酷さ、緊張感も有名だ。そこでは、科白を憶えてこない役者の生存は許されない。また、唐さんをして「鈴木は怖かった」と言わしめる鈴木(忠志)さんのダメ出しは、役者の人格を完膚なきまで破壊するほどだったという。確か、つか(こうへい)さんの『熱海殺人事件』における木村伝兵衛のサディスティックな科白には、稽古における鈴木発言からの引用があったはずだ。
     彼ら、1960年代に活動を始めた演劇人に共通するのは、それぞれが稽古場における覇者であり、その場には彼らの支配する時間だけが流れているということだ。そうして最終的に、いま作られようとしている劇を、劇に通底するべき感性をこそ牛耳る。

     だが、白井さんはそうではなかった。
     白井さんは、いま自分が語りかけている相手とは別のキャストやスタッフが何をしていようと、気にしない。まして、今回の座組には、台本として長塚圭史さんが、振り付けとして森山開次さんが参加されている。お二人がいることによって、稽古場には共同運営体制とでも呼べるような時間が流れているのだ。白井カラーを基調に、稽古場は時に二頭体制、三頭体制にも変化する。
     白井さんが田中圭さんにアドバイスしている時に、こちらでは長塚さんが早見あかりさんに話しかけ、森山さんはダンサーたちの振り付けを修正しているといった場面を、私は何度も目にした。さらに、白井さんに対して、出演者の皆さんがよく質問をし、意見すること、これにも目を見張った。白井さんには、皆が積極性を持ちたくなる雰囲気が備わっているのだ。圧倒的な誠実、篤実、劇への情熱、忍耐強さ。そう、すぐに成果や正解を急がない忍耐強さ、粘り強さが白井さんにはある。私は計 100時間以上も稽古場にいて、白井さんが声を荒げるのをついに聞かなかった。一度も怒鳴らない演出家がいるなんて……。

     一応、断っておくのだが、だからと言って白井さんの稽古場が緊張感に欠けるというのでは決してない。参加して数日経つうちにだんだんわかってきたのだが、飲食するとはいっても、白井さんの稽古はとても長いので、栄養を補給するという意味合いが強い。例えるならば、マラソンの給水みたいなもの。マラソン中なので、当然、緊張感がある。そういえば唐さんは短期決戦型で、稽古後に呑み会が付く。一方、白井さんの稽古は長い。全体稽古が 6時間。その前後に、ウォーミングアップや抜き稽古が付く。
     長さは、白井さんの稽古の特徴のひとつだ。白井さんのスタミナと集中力は無尽蔵のようで、周囲が進言しなければ休憩をとろうとしない。これは、唐さんの現場とは別種のキツさかもしれない。よく聞くと、口調が穏やかなだけで、白井さんも結局は出演者や裏方さんに過酷な要求を出していることも、しばらくいる中でわかってきた。やっぱり基本的には、演出家は自分の意志を押し通すのだが、その表れ方の違いにすぎない、とも言える。

     稽古の合間に白井さんにお話を伺った際、ご自身も劇団時代は、はるかに体育会系的ノリだったことを教えて下さった。それが、プロデュース公演に関わるようになり、ここ 15年で試行錯誤した結果が、いまの稽古場の体制であるという。初めて会う者同士が打ち解け、それぞれの得意技を披露しつつ共に劇をつくるための配慮が、ここには溢れている。でも、モラル面でも稽古でも、度が過ぎた時には注意もするし、怒ることもあるんだよ、と白井さんは穏やかに教えてくれた。新しい芸術監督は「オトナ」だ。「オトナ」にこそ「民主主義」は可能なのだ。ちなみに唐さんは「偉大なコドモ」である。

     もちろん、これまで比較してきたものの背景には、公演や集団の形態、時代や世代の差もある。だから、一概にどちらが良いと言えるものではない。唐さんには「唐十郎の稽古場」があり、白井さんには「白井晃の稽古場」がある。ここでの経験を糧に、これから自分は、理想的な「中野の稽古場」を作り上げなければならない。


    中野敦之(なかの あつし)
    演出家/劇団唐ゼミ☆代表
    99年、横浜国立大学入学と同時に唐十郎教授に師事。00年からスタートした講座:唐十郎ゼミナールを経て、2005年に劇団唐ゼミ☆を創立。
    国内外で唐十郎の新/旧作を新演出により上演。テントや野外での公演を得意とするが、新国立劇場(2005年)や KAAT 神奈川芸術劇場(2013年)でも上演を行う。美術家・やなぎみわや映画監督・望月六郎との共同制作や、横浜開国博Y150におけるイベントの制作/構成なども、幅広く行う。

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  8. 「夢の劇 -ドリーム・プレイ-」

    ※主演

    【ものがたり】
    バラモン教の神インドラの娘・アグネスが、第三の世界=地球へ降り立ち、そこで様々な人びとに出会い、それぞれの暮らしを経験して、再び天空=神の世界へ戻っていく過程を描く。地上に降り立ったアグネスは恋人を待ち続ける士官、自分が扱った犯罪・悪行を反映して苦悶に満ちている弁護士等、苦難に満ちた人間たちと出会い、人間の存在の痛みを経験する。それぞれの場面は、“夢”の断片をつなぎ合わせたような構成になっており、インドラ神の娘が天空へ戻るさまは、まさに、人が“夢”から目覚める合図のようにも見える。

    日程&劇場:
    ●神奈川公演
    2016/4/12(火)~30(土)
    KAAT神奈川芸術劇<ホール>

    ●松本公演
    k2016/5/4(水・祝)・ 5(木・祝)
    まつもと市民芸術館 実験劇場

    ●兵庫公演
    2016/5/14(土)・15(日)
    兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

    原作:ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ
    構成・演出:白井晃
    台本:長塚圭史
    振付:森山開次

    出演:
    早見あかり、田中圭/江口のりこ 那須佐代子 森山開次/山崎一/長塚圭史/白井晃
    久保貫太郎 今里真/宮河愛一郎 高瀬瑶子 坂井絢香 引間文佳

    (敬称略)

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  9. 早見あかり (はやみ あかり)

    2011年ももいろクローバーのサブリーダーを経て女優に転身、映画『百瀬、こっちを向いて』、『忘れないと誓ったぼくがいた』主演、ドラマ『ラーメン大好き小泉さん』主演、など話題作に出演。14年、NHK連続テレビ小説『マッサン』でマッサンの妹役を演じ、一躍注目を集める。15年秋には人気ドラマ『MOZU』のスピンオフドラマ『大杉探偵事務所』、主演ドラマNHK『東京ウエストサイド物語』に出演、16年1月からはNHK木曜時代劇『ちかえもん』にも出演中である。CM、MVへの出演でも話題を集めており、現在最も期待されている若手女優の1人。本作で本格的な舞台に初挑戦・初主演となる。 【HP】
    Comment
    人生初の挑戦です。正直、怖いです。仕事に対しての不安を感じたことはありますが、恐怖を感じたことはありません。でも、この舞台をやり切ったら、何か変わることが出来ると思います。みなさんと一緒にいい作品を作れるよう、努力します!みなさん、新しい早見あかりに出会えることを楽しみにしていてください!

    http://www.yumenogeki.jp/UserPage/Detail/9

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  10. 講談社 世界文学全集58の解説によれば、ベルイマンも上演しているという。
    1971
    「夢の劇」 オーギュスト・ストリンドベリ(August Strindberg)
    1902


    http://ingmarbergman.se/verk/ett-dr%C3%B6mspel-0



    Teater Dramaten, Lilla scen 1986 1 min läsning
    Ett drömspel

    Bergman börjar se Ett drömspel som en livsledsagare, sätter upp den för fjärde gången och börjar samtidigt att fundera på ett femte försök.




    Teater Dramaten, Lilla scen 1986 1 min läsning
    Ett drömspel

    Bergman börjar se Ett drömspel som en livsledsagare, sätter upp den för fjärde gången och börjar samtidigt att fundera på ett femte försök.
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    Åtskilligt känns igen.

    Per Erik Wahlund i Svenska Dagbladet

    Ett drömspel, drama av August Strindberg, färdigställt 1902 och uruppfört 1907. Dramat utgörs av en serie korta tablåer vilka inte är sammanbundna av en intrig utan av ett genomgående tema - människans lidande. Huvudgestalt är den indiske guden Indras dotter, som stiger ned till jorden för att se hur människorna lever och som överallt möter smärta och spruckna drömmar. Dramat utmynnar så i en österländskt färgad mystik, där lidandet ses som gagnerikt och döden som en befriare. Tablåerna följer, som Strindberg själv skriver, drömmens osammanhängande men skenbart logiska form. Detta kräver ideliga scenförändringar inför öppen ridå, och dramat är, inte minst till sin form, ett pionjärverk i teaterns historia.

    Ingmar Bergman gjorde fyra uppsättningar av Ett drömspel:

    1963 för tv-teatern
    1970 på Dramaten under titeln Drömspelet
    1977 på Rezidenstheater i München under titeln Ein Traumspiel
    1986 återigen på Dramaten

    ETT DROMSPEL

    ingmar Bergman

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  11. Ett drömspel / A Dream Play
    Regi: Ingmar Bergman Dekor och kostym: Carl Cloffe Ingrid Thulin - Agnes, Indras dotter Uno Henning - Alfred, officeren Allan Edwall - Axel, advokaten Olof Widgren ...youtube.com 1:53:12 8 months ago


    https://www.youtube.com/watch?v=ASFsdP9CmVY

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  12. Ett drömspel / A Dream Play
    exSalmDyck

    https://www.youtube.com/watch?v=ASFsdP9CmVY
    2015/10/10 に公開

    Regi: Ingmar Bergman
    Dekor och kostym: Carl Cloffe
    Ingrid Thulin - Agnes, Indras dotter
    Uno Henning - Alfred, officeren
    Allan Edwall - Axel, advokaten
    Olof Widgren - diktaren
    John Elfström - glasmästaren

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